【ニューヨーク=共同】世界の宗教別人口は現在キリスト教徒が最大勢力だが、2070年にはイスラム教徒とキリスト教徒がほぼ同数になり、2100年になるとイスラム教徒が最大勢力になるとの予測を米調査機関ピュー・リサーチ・センターがまとめた。両者の勢力が伯仲するのは人類史上初めてだとしている。
同センターは世界人口をキリスト教、イスラム教、ヒンズー教、仏教、ユダヤ教、伝統宗教、その他宗教、無信仰の8つに分類。地域別などに人口動態を調査し、10年から50年まで40年間の変動予測を作成した。
10年のキリスト教徒は約21億7千万人、イスラム教徒は約16億人で、それぞれ世界人口の31.4%と23.2%を占めた。イスラム教徒が住む地域の出生率が高いことなどから、50年になるとイスラム教徒は27億6千万人(29.7%)となり、キリスト教徒の29億2千万人(31.4%)に人数と比率で急接近する。
40年間のイスラム教徒の増加率は73%で、キリスト教徒やヒンズー教徒の増加率の2倍以上に達する。
現在、世界最大のイスラム教国はインドネシアだが、調査は50年にはインドがヒンズー教徒の優位を保ちつつ、イスラム教徒の数が世界最多の国になると予測している。
50年までの変動がその後も継続すると仮定した場合、70年にはイスラム教徒とキリスト教徒が世界人口の32.3%ずつで拮抗し、2100年にはイスラム教徒が35%に達してキリスト教徒を1ポイント上回ると予測している。