放射線医学総合研究所は10日までに、凍結保存したマウスの受精卵を米国の民間補給船に積んで国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げると明らかにした。人間が宇宙に長期滞在した際の影響を検討する基礎データを得るため、哺乳類のマウスの受精卵を使って実験する。
宇宙には放射線が飛び交っており、がんの発症や遺伝子の異常などにどう影響するかを調べる。実験には放射線の影響で遺伝的にがんになりやすいなど7つの系統のマウスの受精卵をそれぞれ500~1000個使う。
14日(日本時間)に打ち上げる米スペースX社の無人補給船ドラゴンに受精卵を載せて宇宙ステーションに運び、約半年間、日本実験棟「きぼう」で冷凍したまま保管する。地球に送り返した後、受精卵を仮親のマウスの子宮に戻して子供を産ませ、寿命やがんの発症などを調べる。