バイオベンチャーのユーグレナは17日、米国でミドリムシの培養実験を始めると発表した。米カリフォルニア大学サンディエゴ校と共同で、9月末をめどに航空機燃料向けに遺伝子組み換えミドリムシの屋外培養技術について確立を目指す。米国の実験結果をもとに、大量培養施設の候補地選びにも活用する。
屋外培養を試みるのは近畿大学とユーグレナが航空機燃料向けに開発した、従来のミドリムシに比べて油脂が100倍多いミドリムシとなる。培養技術を検証しながら、9月末までにカリフォルニア大の設備で屋外培養を達成したい考えだ。
ユーグレナは2020年にミドリムシ由来の航空機燃料の実用化を目指しており、大量の燃料を安定供給できる体制作りを進めている。海外を視野に大量培養施設の建設を計画している。燃料の精製については、米シェブロンの子会社と日本国内でプラント建設を交渉中だ。
原料となるミドリムシの大量培養には年間を通して温暖な気候といった条件があり、米カリフォルニア州は培養地の有力な候補地の一つとなっている。