家電量販店エディオン(大阪市)の元課長が営業秘密を不正取得したとされる事件で、大阪府警生活経済課は18日までに、元課長の転職先の上新電機(同)を不正競争防止法違反の疑いで書類送検した。元課長が上新電機の業務に関連して情報を取得したとして、従業員などの行為について法人の責任を定めた同法の両罰規定を適用した。
経済産業省によると、営業秘密を不正取得した同法違反事件で、法人が書類送検されるのは異例。両罰規定の法定刑は3億円以下の罰金で、刑事罰が確定すれば初めての例となる。
生活経済課によると、エディオン元課長、笹沢淳被告(53)=同法違反罪で公判中=が不正取得した営業秘密を上新電機が利用するなどした事実は確認されていないが、笹沢被告が「上新で役に立つと思った」と供述していることなどを総合的に判断した。
書類送検容疑は、笹沢被告が2014年1月、エディオンのパソコンを遠隔操作して営業秘密データ4件を上新電機のパソコンに転送し、うち1件を印刷して販売促進部長に手渡した疑い。
上新電機は「今回の事案を厳粛に受け止め、社内教育で従業員の法令順守の意識を向上させたい」とコメントしている。