日本鉄鋼連盟(鉄連)の新会長に就任した柿木厚司会長(JFEスチール社長)は22日午後の記者会見で、2015年度の粗鋼生産量について、「在庫調整が進むことで下期にかけて回復していく。少なくとも前年と同じレベルにはなるのではないか」との見解を示した。前年度の粗鋼生産量が前の年度比1.5%減の1億984万トンだったことは、「5年連続で1億トンを超えたことは評価できる」とした。
世界の鉄鋼需給の動きに関しては、「中国経済の減速の影響で、中国からの輸出が増えてアジアで供給が過剰になっている」と指摘した。一方で、「国内では賃上げの効果で個人消費が回復し、企業業績も多数の産業で過去最高水準だ。下期には生産設備はほぼフル稼働の水準まで戻ると期待したい」と述べた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕