日本鉄鋼連盟(鉄連)の柿木厚司会長(JFEスチール社長)は16日午後の記者会見で、中国の鉄鋼需要を巡り「需要が減少した分の鋼材が(東南アジア諸国連合=ASEANなど)海外市場に回っていることもあり、需給状況は非常に緩和していて(市況は)良くない」との見方を示した。中国の鉄鋼メーカーも足元の業績は悪化しており「今後どうなっていくか注視していく必要がある」と話した。一方で中国を除く海外の動向は、米国が堅調なほか欧州も緩やかな回復にあるとした。
2015年度の粗鋼生産量については「なんとか1億700万トンくらいに到達してほしいというのが今の見解」と述べた。鋼材市況は在庫調整が長引いており「7~9月期の段階でもう少し良くなると思った」としたが、調整は上期中に終わり回復に向かっていくという。柿木会長は「10~12月期は前年並み、1~3月期は前年の落ち込みもあり上回る」との見通しを示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕