【シリコンバレー=小川義也】米グーグルは22日、米国で独自の携帯電話サービス「プロジェクトFi(ファイ)」を始めると発表した。通話とSMSは月額20ドルの定額制で、データ通信は1ギガ(ギガは10億)バイトあたり月額10ドルの従量制とした。加入できるのは当初は招待客のみで、グーグルが独自ブランドで展開するスマートフォン(スマホ)1機種でしか利用できない。グーグルの参入で米携帯市場の競争がどこまで進むかが注目される。
回線はソフトバンク傘下で米携帯3位のスプリントと同4位のTモバイルUSから借りるほか、米国内100万カ所以上で無料で使える公衆無線LAN「Wi―Fi」も活用する。グーグルは2つの携帯会社の通信網とWi―Fiの中から通信速度が最も速いネットワークを検出し、自動的に切り替えていく技術を開発したという。
最も安い料金プランは通話とデータ通信の合計で月額30ドルになる。データ通信料金は1ギガバイトあたり月額10ドルだが、実際に使わなかった分の料金は毎月払い戻す。たとえば、3ギガバイトのプラン(月額30ドル)を契約して実際には2.2ギガバイトしか使わなかった場合、翌月の通信料に充てられる8ドル分のクレジットが還元される。データ通信料金は日本を含む海外約120カ国で使った場合も変わらない。
グーグルのスンダル・ピチャイ上級副社長は先月、独自の携帯電話サービスを数カ月以内に米国で始める方針を表明していた。グーグルは2012年に米国で自前の光回線を使った高速ネット接続事業に参入。現在は3都市でサービスを提供している。