福岡県中間市で2008年に暴力団工藤会(本部・北九州市)系組幹部が射殺された事件で、福岡県警は23日、同会幹部、木村博被告(62)=恐喝未遂などの罪で公判中=が殺害に関与した疑いが強まったとして、殺人と銃刀法違反(加重所持)の疑いで再逮捕した。同日までに別の同会幹部ら3人も同じ容疑で逮捕するなど、逮捕者は計5人に上った。
県警が昨年9月以降に工藤会最高幹部らを相次ぎ逮捕した後、木村容疑者は事実上の同会トップを務めていた。県警は背景に内部のトラブルなどがあったとみて、全容解明を急ぐ。
他に殺人容疑などで逮捕されたのは工藤会幹部、南川忠邦容疑者(47)=北九州市小倉北区=ら。この事件で既に殺人の罪などに問われ無期懲役刑が確定した同会幹部、坂本敏之受刑者(46)についても盗品等有償譲り受け容疑で逮捕した。
木村容疑者の再逮捕容疑は南川容疑者らと共謀して08年9月10日未明、中間市の同会系組幹部(当時66)宅で、同幹部に拳銃の弾4発を命中させて殺害した疑い。坂本容疑者の逮捕容疑は同月3日、北九州市八幡西区の駐車場で軽乗用車が盗品と知りながら買い受けた疑い。県警はいずれも認否を明らかにしていない。
県警は坂本容疑者の買い受けた車が組幹部射殺事件に使われたとみて調べる。
組幹部射殺事件を巡っては、県警は09年に木村容疑者ら5人を逮捕。当時は、今回逮捕された木村、南川両容疑者ら3人は処分保留で釈放されていた。起訴された2人も一審・福岡地裁小倉支部判決は無罪としたが、坂本容疑者は二審・福岡高裁判決で逆転有罪となった。県警幹部は「再捜査により新たな証拠を収集した」としている。