【北京=島田学】中国海軍トップの呉勝利司令官と米海軍の制服組トップのグリナート作戦部長が29日、南シナ海問題を巡り、テレビ電話で協議した。中国軍機関紙の解放軍報が1日伝えた。
呉氏は中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で進める埋め立て工事について、軍事目的ではないと説明。海難救助などの拠点にするとしたうえで「将来的には米国などによる利用も歓迎する」と述べた。
さらに「米軍機が中国近海まで偵察に来るのは、両軍協力の深化という雰囲気に合わない」と反発姿勢を示した。
一方、グリナート氏は、海上などで意図せざる突発的な事態が生じないよう共に努力する必要性を訴えた。埋め立て工事の目的をただし、中止を求めたとみられるが協議は平行線だったようだ。
米中両海軍のトップのテレビ電話を使った会談は、今回が初めて。