3日午前1時51分ごろ、東京・伊豆諸島の鳥島近海で地震があり、八丈島50センチ、神津島30センチなど伊豆諸島で津波を観測した。気象庁によると、震源地は鳥島から約110キロの近海で、震源の深さはごく浅い。地震の規模を示すマグニチュード(M)は5.9と推定される。気象庁は午前2時40分ごろから約1時間半、伊豆諸島と小笠原諸島に津波注意報を出した。
気象庁は、海底の地下からマグマが上がり、海底を押し上げる形の地震が起こり、津波が発生した可能性があるとみている。記者会見した気象庁の長谷川洋平地震津波監視課長は、津波注意報が地震発生直後に出ず、八丈島で実際に観測された後になったことについて「火山活動が関係している可能性があり、岩盤がずれる通常とはメカニズムが異なる。解析が難しい」と述べた。
ただ伊豆諸島の火山で活発な活動はなく、地震があった付近は水深が約500メートルと深いため船舶などへの影響もないという。
鳥島付近では小さい規模でも津波を起こす地震が2006年1月など過去にも発生、マグマが原因と指摘されている。M5.9だった06年の地震で観測された津波は、注意報を出す基準の20センチ以上に達しない13センチが最大。注意報は出なかった。
長谷川課長は「M5.9は津波を起こすには小さい規模。06年を参考に今回も大きな規模ではないと考え、当初は注意報を発表しなかった。的確に注意報を出せないか考えたい」としている。〔共同〕