【ハノーバー(独北部)=加藤貴行】ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のマルティン・ヴィンターコーン社長は5日の株主総会で、新興国向けの格安車戦略について「中国の合弁相手と協力しているが、時間がかかるだろう」と述べた。これまで2017年としていた発売時期については明言しなかった。VWはグループのコスト削減を優先しており投入が遅れる見通しだ。
同社長は「(格安車で)販売台数を追加することに興味はなく、グループにとって経済性が見込めなくてはならない」とし、技術面も含め、なお課題があると説明した。
人事を巡る内紛でフェルディナント・ピエヒ氏が監査役会長を辞任した件に関しては「我々は平穏に戻った。何よりも事業に完全に集中している」と強調した。