投資信託協会が18日発表した統計によると、個人が証券口座に預けた資金を運用する「マネー・リザーブ・ファンド」(MRF)と呼ばれる投信の残高が、4月末で12兆円弱と3カ月連続で過去最高を更新した。主要国の株式相場が上昇し、株や投信の利益を確定して得た資金が流入した。
MRFは証券口座の預金のような性格を持つ。株や投信を売って得た資金を国債などで一時的に運用する。利回りは銀行預金並みに低く、投資家が次の投資機会をうかがう「待機資金」となる。
4月末のMRF残高は11兆8806億円と3月末に比べ5453億円増えた。増加額は昨年11月の1兆7688億円以来の大きさだった。
今年に入り日経平均株価は1割強上昇し、4月には一時、約15年ぶりに節目の2万円に乗せた。「相場上昇に一服感が出た」(投信協会の乾文男副会長)ことが、個人の株や投信の利益確定を誘ったようだ。
公募投信の4月末の残高も99兆1636億円と前月末から2兆1360億円増え、11カ月連続で最高を更新した。資金流出入額も1兆3392億円のプラスで、2013年7月から流入超が続く。