苫小牧東部の工業団地分譲を手掛ける苫東(苫小牧市)は20日、産学官の関係者で構成する経営諮問委員会を札幌市内で開いた。今後の戦略として、従来の機械産業などだけでなく、データセンターなどの誘致を強化すべきだと提案した。
苫東には現在約100社が立地する。自動車部品メーカーといった製造業を始め、メガソーラー、植物工場など業種は広がってきている。委員長を務める三井物産戦略研究所の寺島実郎会長は「企業立地の実績は着実に上がってきた」と評価する一方、今後はさらに次世代技術に関わる企業を誘致すべきだと話した。
具体的にはビッグデータ解析のためのデータセンターを挙げる。現地は広く冷涼なため、データセンターの立地に適しているという。また次世代エネルギーとして注目される水素を燃料電池自動車などに供給する水素ステーションに関する研究事業も、現地に呼び込むべきだとした。
諮問委員会ではさらに、外国人観光客向けに「産業ツーリズム」の商品を開発すべきだとした。苫東に立地する工場の見学などで日本の先端技術を見せ、多様な道内旅行のあり方を示してリピーターになってもらう。