【ワシントン=矢沢俊樹】米議会上院は21日午前、環太平洋経済連携協定(TPP)合意に不可欠な米大統領貿易促進権限(TPA)法案の審議を打ち切るのに必要な動議を賛成多数で可決した。早ければ週内にも上院本会議でTPA法案の最終表決を行い、可決されればすみやかに下院に送付する構えだ。
ただ、下院では与党・民主党を中心にTPA法案とTPP妥結への反対勢力が依然多い。法案通過へ向けた調整が難航するとみられている。TPA推進派の上院幹部らはTPPの妥結交渉が失速するのを避ける狙いで、今週末からの議会一時休会の前に、まず上院でTPA法案を通すための調整を急いでいる。
同日の上院での審議打ち切り動議は62対38の賛成多数だった。これで審議を打ち切らせないための議事妨害を阻止することが可能になり、上院本会議での最終投票に進むことができる。
野党・共和党のハッチ上院財政委員長ら超党派議員は法案修正に必要となる時間を勘案し、6月末までにTPA法案を上下両院で通して大統領署名に持ち込む考えを表明している。