岡山大学の沈建仁教授らは中国科学院と共同で、植物が高い効率で光合成をする仕組みの一端を解明した。葉などで反応を担うたんぱく質を調べると、色素の葉緑素が互いの向きと距離を調節し、エネルギーを受け渡ししやすくなっていた。同じ仕組みを太陽電池や人工光合成などの技術に応用すれば、エネルギーを効率よく作れるという。
研究チームは植物の葉で光合成を行うたんぱく質「PS 1」をエンドウマメの葉から取り出し、きれいな結晶にした。大型放射光施設「SPring―8」で詳しく調べたところ、155個の葉緑素がたんぱく質に支えられて、エネルギー効率を高めるように並んでいた。
強い光が当たってたんぱく質が壊れるのを防ぐためにエネルギーを逃がす色素の位置もわかった。植物の優れた仕組みを応用すれば、太陽電池の発電効率や耐久性を飛躍的に高める可能性があるという。