全国のツバメの巣を調べた結果、東京や宮城、静岡など13都県の巣から東京電力福島第1原子力発電所事故で放出された放射性セシウムが検出されたことが山階鳥類研究所(千葉県)の調査で31日までに分かった。
ツバメの巣は土やわらでできており、周囲の土壌に降下したセシウムが含まれているとみられる。人への影響は考えにくいが、同研究所は今後、放射性物質がツバメの生態に影響していないか、繁殖状況などを継続的に調べる。
研究所は全国の鳥愛好家に協力依頼し、2011年11月~12年3月、北海道から鹿児島まで21都道府県のツバメの巣197個を採集。うち11年に繁殖が確認できた182個について調べた結果、福島第1原発から約370キロ圏内にある13都県の150個から事故由来のセシウムが検出された。
地域別の濃度平均は福島県が一番高く、1キログラム当たり約7500ベクレル、最高は9万ベクレルだった。2番目は千葉県で平均約3200ベクレル、最高1万2900ベクレル。周辺土壌と巣のセシウム濃度には関連がみられたという。〔共同〕