【ローザンヌ(スイス)=共同】国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は8日、スイスのローザンヌで開いた理事会後に記者会見し、2020年東京五輪のメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設問題について「競技場に関する論争が、東京の素晴らしい準備の進展に影を落とすことを望まない」と懸念を表明した。
新国立競技場は開閉式屋根の設置を大会後に先送りするなど計画の大幅な見直しが検討され、整備費負担でも国と東京都が対立。バッハ会長は「政府は解決策を見つけるだろう。懸念しているのは決定の中身より、むしろスピードだ」と早期決着を求めた。
会場計画見直しには「既存施設を活用した賢明な方法だ」と評価。今回の理事会で変更が承認された7競技の会場の見直しで7億ドル(約880億円)の経費が圧縮され、これまでと合わせて17億ドル(約2140億円)の削減につながったとした。
東京が提案できる追加種目については「若者に魅力的な種目の提案を期待する」と述べ、昨年12月に承認した改革「五輪アジェンダ2020」の趣旨に沿って若者を重視した選考を促した。