弥生時代の環濠(かんごう)集落跡として知られる大阪府高槻市の安満遺跡で、弥生時代前期(約2500年前)の大規模な水田跡や木棺墓などが確認され、市教育委員会が20日までに発表した。
集落と水田、墓の3つが一緒に見つかった例は、全国的にも珍しく、市教委は「当時の集落の発展過程が分かる材料になる」と話している。
市教委によると、遺跡南西部を調査。約9千平方メートルの水田跡が確認された。南東部ですでに見つかっている遺跡と合わせると、弥生時代前期には、集落の南側に約1.5ヘクタールもの水田が広がっていたとみられる。あぜは、南北方向に細長く区画されていた。
水田は、弥生時代前期末の洪水で土砂に埋もれており、保存状態は良好。人の足跡も見つかり、市教委は「洪水直後に田の様子を見に来たのでは」と推測している。
また、洪水で耕せなくなった水田の上に築かれた方形周溝墓など計16基も発掘。洪水後に開いた水田のために掘られた用水路の跡も見つかった。〔共同〕