【アテネ=佐野彰洋】ギリシャ中央銀行は26日、5月末の国内金融機関預金残高が前月末比2.8%減の1299億ユーロ(約18兆円)だったと公表した。金融支援の再開を巡る交渉の不透明感を嫌気し、14年12月からの預金流出額は2割弱に相当する303億ユーロに達した。預金残高は2004年並みの水準に落ち込んでいる。
6月に入り、ギリシャに対する金融支援の期限切れが迫ったことで、流出のペースは加速している。ロイター通信によると、15日からの5日間で、5月分(約37億ユーロ)を上回る42億ユーロが引き出された。
民間銀行の資金繰りはギリシャ中央銀行と欧州中央銀行(ECB)が支援しており、ただちに金融システムを揺るがす事態にはなっていない。ただ、ECBからの支援継続にはギリシャ政府と欧州連合(EU)など債権団との支援継続合意が欠かせない状況だ。