日銀が29日発表した2015年1~3月期の資金循環統計(速報)によると、3月末の家計の株式保有残高は前年比20.0%増の約100兆2065億円だった。増加は4四半期連続で、残高は08年のリーマン・ショック後で初めて100兆円を超え07年6月末(109兆7344億円)以来の水準を回復した。家計は株式の売却を続けているが、株式相場の上昇を背景に残高が膨らんだ。
1~3月期の家計の株式売越額は約1兆3358億円で、2兆円を超えた14年10~12月からは縮小したものの、14年4~6月期以降4四半期連続で売り越しとなった。一方、国債・財政投融資債の保有残高は16兆8855億円と前年比19.7%減少した。家計の株式保有残高が膨らむ一方、個人向け国債の償還や国債利回りの低下を背景に国債の保有残高は減少傾向が続いている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕