29日午後5時40分ごろ、山梨県昭和町のJR身延線の国母―常永間で、近くに住む男児2人が電車と接触して病院に搬送された。県警によると、風間志輝ちゃん(3)と金丸大惺ちゃん(4)で、志輝ちゃんは間もなく死亡が確認され、大惺ちゃんは重傷という。
県警やJR東海によると、2人はフェンスが途切れた場所から線路内に立ち入り、甲府発富士行きの2両編成の先頭車両と接触したとみられる。乗客約250人にけがはなかった。
近所の住人らによると、現場は線路下に用水路が流れ、脇の通路を近所の子供が抜け道としてよく行き来している。県警は2人が線路内に入った経緯などを調べている。
JR東海によると、電車の男性運転士は「100メートルほど手前で2人の子供が線路にいたのが見えた。汽笛を鳴らし非常ブレーキをかけたが間に合わなかった」と話しているという。
事故を知り、死亡した志輝ちゃん宅を訪れた親族の男性(52)は「父親の影響でサッカーが好きで、人なつこくてわんぱくな子だった」とぼうぜんとした様子。
電車のブレーキ音を聞き、家の外に飛び出たという近くの高校2年、望月聖也さん(16)は「頭から血を流して線路に倒れている男の子のそばで、母親らしき女性が必死で呼び掛けていた」と話した。
現場は国母駅から南西に数百メートルの住宅街を通る単線で緩やかな左カーブ。JR身延線は甲府―鰍沢口間の上下線で、約1時間半運転を見合わせた。〔共同〕