【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は30日、ホワイトハウスでブラジルのルセフ大統領と会談した。地球温暖化対策での連携強化や、貿易・投資の拡大をめざす方針で一致した。ルセフ氏は2013年10月に訪米する予定だったが、直前に米国家安全保障局(NSA)による電話傍受疑惑が発覚したため、中止した経緯がある。
オバマ氏は今年末パリで開く気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で「野心的でバランスの取れた」合意を得たいと表明。ルセフ氏も協力を約束した。温暖化対策に関する共同文書は、太陽光など再生可能エネルギーを含めたクリーンエネルギーの協力を進めるため閣僚級会合を開くとした。
オバマ氏は会談後の共同記者会見でブラジルを「対等なパートナー」と呼び「われわれは共に協力していく」と力説した。ルセフ氏も「両国は環境問題という世界の主要テーマで連携を強化することになった」と関係修復を訴えた。
この時期にルセフ氏が訪米した背景には、国交正常化に向けた米キューバの関係改善が急速に進んでいるという事情がある。4月にはパナマで米ブラジル首脳会談が実現していた。