【ハノイ、ワシントン=共同】米政府とベトナム共産党は3日、ベトナムの最高指導者グエン・フー・チョン党書記長が6日から10日にかけ米国を訪問すると発表した。ベトナム戦争後、ベトナムの最高指導者が米国を訪れるのは初めて。
米大統領報道官の声明によると、オバマ大統領は7日にチョン氏とホワイトハウスで会談する。声明はオバマ氏が「環太平洋経済連携協定(TPP)、人権、2国間の防衛協力について議論できる機会を楽しみにしている」としている。
かつての敵国同士である両国は中国の南シナ海での勢力拡大を背景に急接近しており、会談でも中国による南シナ海での岩礁埋め立てなどが議題になる見通しだ。
米国務省高官はチョン氏の訪米を、1995年の両国の国交正常化から20年の節目を彩る重要行事と位置づけている。
同高官は、オバマ氏が国家元首でない外国の重要人物をホワイトハウスに招くのは異例だが、チョン氏を「ベトナムの最高指導者として迎えることには幅広い合意がある」と述べた。
チョン氏は8日まで首都ワシントンに滞在し米閣僚や議会関係者、民間人と会うほか、9~10日にはニューヨークを訪問するという。