育成功労賞を受賞した小倉清一郎さん(右から2人目)を祝福する渡辺元智さん(同1人目)、教え子の涌井秀章選手(同3人目)、高浜卓也選手(同4人目)
横浜高の元野球部長、小倉清一郎さん(73)の「育成功労賞」受賞を祝う会が26日、横浜市内であり、プロ野球ロッテの涌井秀章投手(31)ら教え子や高校、大学、社会人野球の指導者らが駆けつけた。
横浜野球の黄金期支えた名伯楽に功労賞 盟友も駆けつけ
動画もニュースもバーチャル高校野球
長くコンビを組んだ横浜の渡辺元智・前監督(73)が「小倉なくして春夏連覇はなかった。本当に感謝している」とあいさつ。横浜商を率いて1983年に春夏連続で準優勝した古屋文雄・元監督(73)も「小倉さんがコーチとして野球を教えてくれたおかげ」と感謝した。
「初めて対戦したとき、渡辺監督、小倉部長が並ぶ相手ベンチにあこがれたものです」と語ったのは、今夏の甲子園で全国制覇を達成した花咲徳栄(埼玉)の岩井隆監督(47)。「決勝の前夜、小倉さんから『いけるぞ』と激励の電話をいただいた。本当に面倒見のいい人で、多くの指導者がその背中を追ってきた」と打ち明けた。
教え子の涌井投手は「来年から大リーグに挑戦します。渡辺先生、小倉コーチに教わった野球が米国でも通用することを、松坂大輔さんに続いて証明したい」と恩師に誓った。
小倉さんはあいさつで「練習試合ができる今シーズン最後の日曜日に来ていただき、申し訳ありません」と語った後、「お互い女房に恵まれたな、と渡辺とよく話すんです。好きなだけ野球をやらせてもらえました」と家族に感謝した。
小倉さんは横浜高―東農大を卒業後、東海大一(現東海大静岡翔洋)コーチ、横浜監督、横浜商コーチを歴任。90年から2014年には横浜のコーチ、部長として98年に春夏連覇を達成するなど、同級生の渡辺監督とともに母校の黄金期を築いた。育成功労賞は高校野球の発展に寄与した指導者に、日本高校野球連盟と朝日新聞社が授与している。(編集委員・安藤嘉浩)