【ブリュッセル、パリ=共同】欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で、ギリシャの銀行が緊急融資を受ける際に差し出す担保の価値を引き下げることを決めた。同国が事実上のデフォルト(債務不履行)に陥り、国債などの価値が低下していると判断した。
ギリシャの銀行は担保を追加で差し出したり、融資を返済したりしなければならず、同国銀行の資金繰りに影響を与えそうだ。
ECBは同時に、緊急融資枠の規模については現在の890億ユーロ(約12兆円)に維持することを決定した。ギリシャ中央銀行は5日、増額を要請していた。
ECBは2月、格付けが低いギリシャ国債と引き換えに低利で融資する特例措置を打ち切った。このため、ギリシャの銀行にとっては緊急融資枠が命綱となっている。
一方、パリの大統領府で6日、ドイツのメルケル首相と会談したオランド・フランス大統領は、記者団に「対話の扉は開いている」と強調。「ギリシャの真剣な提案を待つ」とも述べ、7日に開かれるユーロ圏首脳会議でギリシャのチプラス首相が提案する新たな財政再建策を注視する考えを示した。
メルケル首相も「詳細な提案を緊急に行うべきだ」と同調。ユーロ圏二大国の首脳が危機の拡大回避へ協調する姿勢を示した。