経営権を巡り創業一族が争っているロッテホールディングス(HD)は17日、都内で株主総会を開き社外取締役の選任などを決議した。総会には重光昭夫副会長のほか、昭夫氏と対立する兄の宏之前副会長も出席した。現経営陣の昭夫氏側が提案した議案が決まり、社内外に昭夫氏が経営を主導する体制が固まったことを示すかたちになった。
総会は都内のホテルで午前9時半ごろに始まり、15分ほどで終わった。創業者で父の武雄名誉会長は欠席した。総会では佐々木知子・帝京大教授を社外取締役に選任したほか、「昭夫氏を中心にした現経営陣がコーポレートガバナンス(企業統治)を強化する」という方針が承認された。
昭夫氏は総会後に「経営と家族は混同すべきではない。社外取締役の就任を機に開かれた経営を加速させたい」とのコメントを発表した。宏之氏は総会後に「親族間の行き違いで心配をかけた。今後も社員や取引先と一緒に歩んでいきたい」と語り会場を後にした。
ロッテは武雄氏の長男である宏之氏と次男の昭夫氏が経営権を巡り争っていた。1月までにロッテHDの全役職を解かれた宏之氏は7月、父の武雄氏とともに昭夫氏ら現経営陣の解任を求めた。これに対して現経営陣は武雄氏の代表権を外して名誉会長とする人事を決定していた。