参院平和安全法制特別委員会は17日午前、鴻池祥肇委員長が「開会する」と宣言した。安倍晋三首相らも出席して今国会最大の焦点である安全保障関連法案を巡る締めくくり総括質疑が始まるが、野党側は鴻池委員長を取り囲み、開会宣言は認められないと抗議を続けている。
与党は総括質疑終了後に法案を採決し、同日中の参院本会議での成立を目指す。野党は採決阻止に向けた徹底抗戦の構えを崩しておらず、緊迫した情勢が続いている。
与野党は委員会再開に先立つ、理事会を開催する場所を巡って攻防を繰り広げた。委員会室近くの理事会室で開くのが通例だが、鴻池委員長の判断で、野党議員が取り囲む理事会室では開かず、委員会室内で理事会を開いてそのまま委員会を開くことにした。通例とは異なる手法に野党側は「だまし討ちだ」などと抗議した。
与党側は当初、参院特別委で16日中の総括質疑を予定していたが、民主、維新、共産など野党が「地方公聴会との同日開催は認められない」と反発。野党議員が委員会室前に詰めかけて与党側ともみ合いになるなど混乱が続いた。特別委開催に先立つ理事会を断続的に開いて与野党が協議したが、結局、16日中に特別委を開けなかった。