埼玉県熊谷市の6人殺害事件で、田崎稔さん(55)夫婦を14日に刺殺した疑いで逮捕状が出たペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)が、事件前日の13日に同市のJR籠原駅の防犯カメラに映っていたことが21日、県警への取材で分かった。
捜査関係者によると、ナカダ容疑者は同駅に昼ごろ着き、運賃が足りずに乗り越し分を精算した。このため目的地を決めずに場当たり的に下車した可能性もあり、詳しい足取りを捜査している。
ナカダ容疑者は、勤務先の寮があった群馬県伊勢崎市から12日、前橋市まで知人の車に乗せてもらって移動したことも捜査関係者への取材で判明。13日には、JR前橋駅から1人で電車に乗って籠原駅まで来たとみられる。
県警によると、田崎さん宅では、事件後に夫婦の車がなくなり近くで乗り捨てられ、近所でも自転車が盗まれた。自転車は、約1.5キロ先で白石和代さん(84)が殺害された住宅の付近で見つかっており、県警は、ナカダ容疑者が移動に使った疑いもあるとみている。
一方、殺害された加藤美和子さん(41)と娘2人の遺族は21日、県警を通じ「家族を突然失い、途方に暮れています。この先、今まで通りの生活ができなくなることを考えると、無念でなりません」とのコメントを出した。〔共同〕