国の特別天然記念物トキを野生に復帰させるため、環境省は25日、新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターで19羽を放鳥した。2008年から始まった放鳥は13回目で、総数は200羽を超えた。
佐渡トキ保護センターから放鳥されたトキ(25日、新潟県佐渡市)=共同
曇天の中、午前6時すぎに職員がケージの引き戸を開放。1時間余りたって最初の7羽が一斉に飛び立ったのを機に、次々とケージの外に。最後まで残っていた1羽も午前11時すぎに飛んでいった。
環境省によると、19羽は、いしかわ動物園(石川県能美市)や出雲市トキ分散飼育センター(島根県出雲市)で生まれた個体を含む1~5歳の雄2羽、雌17羽。雄が多かった6月の放鳥とバランスを取るため、今回は雌が多い。
6月下旬から泥の中から餌を探したり、飛んだりする自然界で生きる訓練を3カ月受けた。佐渡市内では放鳥されたトキやその子孫計147羽が確認されている。
環境省の広野行男首席自然保護官は「野生で誕生した個体と新たに放鳥した個体がペアになることが期待できる」と話した。〔共同〕