【NQNニューヨーク=横内理恵】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比122ドル10セント(0.7%)高の1万6912ドル29セントと、8月20日以来、およそ1カ月半ぶりの高値で終えた。早期の米利上げ観測が後退しており、各国で緩和的な金融政策が長期化し、株式市場に資金が流入しやすい地合いが続くとの期待などから買いが続いた。日欧株式相場が堅調に推移したことを好感した買いも入った。
午前中は伸び悩む場面があった。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数が節目の2000に近づき、当面の利益を確定する目的の売りが出たという。週間の石油在庫で原油在庫が増加し、ニューヨーク原油先物が下げに転じたことも石油株などを中心に売りを誘った。
その後の商品相場が比較的落ち着いた値動きとなったため、売りが一巡すると再び買いが優勢になった。投資家が運用リスクを取り、値動きの大きいバイオ関連株などに買いを入れたことも相場を押し上げた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、同42.791ポイント(0.9%)高の4791.152で終えた。S&P500も反発し、1995.83と8月20日以来の高水準だった。
業種別S&P500種株価指数(全10業種)では「ヘルスケア」「素材」など8業種が上昇した一方、「電気通信サービス」と「公益事業」が下げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約11億9000万株(速報)。ナスダック市場は約20億7000万株(同)だった。
四半期決算は赤字だったものの、人員削減を発表した種子・農業製品大手モンサントが上昇。前日夕に一部事業売却を検討していると発表した鉄鋼のUSスチールも高い。ダウ平均の採用銘柄では製薬のメルク、航空機のボーイング、ゼネラル・エレクトリック(GE)などが上げた。
アナリストが目標株価を引き下げたと伝わった小型ビデオカメラのゴープロが安い。チケット販売会社を買収すると発表したインターネットラジオ局運営のパンドラは下落。前日夕に発表した決算が市場予想を下回った外食のヤム・ブランズが急落。ナイキやキャタピラーも売られた。