国土交通省は8日までに、久富産業(福井市)が製造した落橋防止装置などに溶接不良があった問題を受け、同社製品が使われた全国の国道や高速道路の橋214本を調べた結果、98本で不良品を見つけたと発表した。
落橋防止装置などは大地震に備えて取り付けられている。国交省は「ほかの対策が施されており日常の通行に支障はないが、速やかに補修する」としている。
不良品があったのは、過去5年間の工事で同社製品が使われた橋92本のうち山形県東根市の国道13号新白水川橋など72本と、それ以前に使用された122本のうち滋賀県湖南市の国道1号横田橋など26本。今後さらに見つかる可能性もあるとしている。
これとは別に、静岡県袋井市の国道1号久能高架橋で、八十八工業(静岡市)製造の装置にも同様の不良が見つかった。
久富産業は鋼板同士を溶接する際に工程を省いたため、不良が生じていた。国交省は他社でも同様の不正が行われている疑いがあるとみて、全容解明や再発防止策の検討に当たる有識者委員会を13日に設置することを決めた。
地方道などにある199本の橋でも過去5年間に久富製品が使われたことが判明しており、管理する自治体などが安全確認を進めている。〔共同〕