名古屋市のアパートで女性(当時77)が殺害されるなどした一連の事件で、名古屋地検は8日、名古屋大の元女子学生(20)を殺人や殺人未遂などの罪で起訴した。元女子学生は事件当時、未成年で、名古屋家裁から検察官送致(逆送)されていた。元女子学生は今後、成人と同様に裁判員裁判で審理される。
同地検は「元女子学生の責任能力に問題はなかった」と判断した。
起訴状によると、昨年12月、自宅アパートで知人女性の頭をおので殴り、マフラーで首を絞めて殺害したほか、2012年に同級生ら2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませて殺害しようとした。また、昨年には東北地方の実家近くの民家に放火しようとしたなどとされる。
元女子学生を巡っては、家裁は精神鑑定を実施した。鑑定結果などを踏まえ、家裁は9月29日、「犯行は計画的で、極めて残虐」として、刑事処分が相当と判断し、逆送を決めた。
家裁は決定理由で、女性殺害事件について「人を殺してみたい、人が死んでいく過程を観察したいという好奇心を満たすためのいわば実験で、なんら酌量の余地はない」と指摘。
その上で「(元女子学生は)精神発達上の障害が認められるが、事件への影響は限定的。犯行当時の責任能力に問題はなく、刑事処分以外の措置が相当とは認められない」と結論づけた。