8人が死亡、3人が行方不明になった兵庫県尼崎市の連続変死事件で、うち男女5人に対する殺人や傷害致死などの罪に問われた角田美代子元被告(当時64)=自殺=の義理のいとこ、李正則被告(41)の裁判員裁判の論告求刑公判が8日、神戸地裁(平島正道裁判長)で開かれ、検察側は無期懲役を求刑した。判決は11月13日に言い渡される。
検察側は論告で、被告自ら被害者を見張るための監視モニター設置や虐待方法を提案したと指摘し、「各犯行で不可欠な役割を果たし、元被告に次いで重い責任がある」と主張した。
一方、弁護側は最終弁論で、被告は角田家の中で最も低い地位に置かれていたと指摘し、懲役15年が相当とした。
起訴状によると、被告は美代子元被告らと共謀して、美代子元被告の義妹、三枝子被告の夫、角田久芳さん(当時51)▽美代子元被告の息子の妻の姉、仲島茉莉子さん(同26)▽久芳さんの弟、橋本次郎さん(同53)――の3人を殺害したなどとされる。ほかに2人に対する傷害致死と監禁などの罪でも起訴されている。