愛知県の大村秀章知事は8日、新日鉄住金の柳川欽也副社長と会談し、昨年9月に起きた名古屋製鉄所(愛知県東海市)の火災事故で再発防止策が完了したとの説明を受けた。同社は19日にも事故があったコークス炉の稼働を再開する方針だが、大村知事は「県民の安心安全が最優先だ。地元に説明し再稼働してほしい」と要請した。
県公館を訪れた柳川副社長は「地域の皆様・関係各位に迷惑をおかけしたのをおわび申し上げる」と陳謝。その上で、火災事故の再発防止に向け、石炭の温度管理の徹底や、遠隔から水をまく装置の設置などを行ったと説明した。同社によると、一連の対策に約80億円を投じたという。
大村知事は会談で「新日鉄住金は日本を代表する企業だ。信頼に応えられるようにしてほしい」と強く求めた。柳川副社長は会談後、記者団に対し、コークス炉の稼働再開に向け「緊張感をもって対応したい」と語った。今後、東海市や近隣の知多市の一部でも説明文書を回覧し、信頼回復に取り組むという。