【ニューヨーク=河内真帆】全米小売業協会(NRF)はこのほど、米国の年末商戦期となる11~12月期の小売売上高(自動車・ガソリン・外食を除く)が前年同期比3.7%増になるとの予測を発表した。伸び率は2014年の4.1%から0.4ポイント縮小する。雇用や賃金の伸び悩みなどが、米小売業者のかき入れ時に影響するとみられる。
NRFが予想する今年の年末商戦の小売売上高は6305億ドル(約75兆6600億円)で、年間の売上高の2割弱を占める。今年の前年比の伸び率は過去10年間の平均である2.5%は上回る。
米経済指標の一部は改善しているが、NRFは「消費者の消費意欲と実際の購買力には隔たりがある」と分析し、慎重な消費行動を見込む。年末商戦に影響する可能性がある要因として、予算を巡る米与野党の協議の進捗次第で12月半ばに政府閉鎖の恐れがある点にも言及している。
一方、年末商戦のネット通販の売上高予測は最大1050億ドル、前年比の伸び率にして6~8%を見込んだ。