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世界の空港、警戒強める ロシア機墜落「テロ濃厚」

作者:佚名  来源:nikkei.com   更新:2015-11-8 7:59:11  点击:  切换到繁體中文

 

7日、帰国を急ぐ観光客が押し寄せたエジプト・シャルムエルシェイクの空港=AP


 


【カイロ=押野真也、モスクワ=古川英治】エジプト東部のシナイ半島でロシア機が墜落した事件では、過激派「イスラム国」(IS=Islamic State)が関与したとの見方が浮上している。IS系とされる組織はすでにインターネット上で犯行声明を出した。墜落原因の特定には時間がかかるとみられ、それまでは「ISによる初の航空機爆破テロ」との認識が広まる恐れがある。世界の航空会社は対応を取らざるを得ず、世界の人の移動に大きな打撃を与えかねない。


今回の事件の原因について英政府は情報機関の分析により、「機内に仕掛けられた爆発物によって引き起こされた可能性が高い」(ハモンド英外相)と見ている。米国のジョンソン国土安全保障長官は6日、中東の複数の空港に対し、米国行き旅客機の保安体制強化を要請したと発表した。今後、世界各地の空港で荷物や所持品の検査が厳しくなる可能性がある。



 


すでに英国やロシア、ドイツの航空会社などがシナイ半島を離着陸する便の運航を取りやめている。冬のクリスマス休暇を控え、観光シーズンが迫っている時期だけに、関係国や関連産業の打撃は大きい。


2001年に米同時テロを引き起こした国際テロ組織アルカイダと対照的に、ISは中東の支配地拡大を目的とする軍事行動や誘拐した人質の残忍な手法での殺害を中心的な活動としていた。豊富な資金量と人員を抱えるとされるISがアルカイダ流の国際テロにも活動を広げているとすると、世界にとって一段の深刻な脅威となる。


一方、IS掃討の名目でシリアに軍事介入したロシアのプーチン政権にとっても今回の事件は波乱要因となる可能性がある。ロシアのドボルコビッチ副首相は6日夜、ロシアメディアに対し「調査終了までは結論を急ぐべきではない」と発言し、墜落の原因がテロかどうかについて従来の慎重な立場を繰り返した。


ロシア機の墜落がロシアの軍事介入に対する報復テロと断定されれば、プーチン政権のシリア政策への批判が高まりかねない。


独立系調査機関レバダセンターの10月末の世論調査によると、対シリア作戦を支持するとの回答が5割超を占めたが、不支持も22%と、1カ月前と比べて倍増している。背景にはロシアのシリア軍事介入における誤算がある。


ロシアは9月30日にシリア空爆を開始した。政権統制下のテレビは連日、空爆の映像を流し、ロシア軍の攻勢を大々的に報道するが、大きな戦果は伝えられていない。ロシア政府高官は「少なくともISの拡張は防いでいる」と述べ、作戦に大きな進展がないことを暗に認める。


プーチン大統領は10月、シリアのアサド大統領をモスクワに招いて会談、直後にアサド政権の退陣を求めるサウジアラビアやトルコ首脳らとも相次ぎ電話で協議し、外交攻勢に転じていた。シリア情勢を巡る協議にイランを参加させることを米国に認めさせるなど、軍事作戦から外交交渉に軸足をシフトするなかで、今回のロシア機の墜落事件が起きた。



 

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