経団連の榊原定征会長は9日の記者会見で、政府から相次ぐ企業の賃金引き上げの要請を巡って「消費の拡大には継続的な賃上げが必要だという認識は、100%共有している」と述べ、経済の好循環実現に協力する姿勢を示した。大企業は2年連続で2%超の賃上げ率を確保している。榊原氏は水準への言及は避け「業績と企業の支払い能力がベースになる」と述べるにとどめた。
安倍晋三首相は5日の官民対話で、「しっかりした賃上げがなければ、経済の好循環を実現できない」と強調。設備投資とあわせて賃上げの「見通し」を11月下旬の次回会合までに示すよう経済界に求めている。