日銀の原田泰審議委員は11日、宇都宮市で講演し「2015年度末には消費者物価が2%に向け上昇していることが確認できる」との見通しを示した。賃金や失業率が着実に改善していることを強調した。原油安の影響で物価上昇率は0%近辺にとどまるが「いずれ上昇するので心配ない」と話した。
現状の金融緩和については「雇用が増えているから大成功だと思う」と評価した。そのうえで、雇用が悪化し、物価の上昇基調が揺らげば「ちゅうちょなく追加の金融緩和を行うことが必要だ」との考えも示した。
具体的にはリスクとして新興国経済の減速や米利上げなどを挙げた。一方、低迷している中国向けの輸出は「さらに大きく低下することはない」との見方を示した。
原田氏はリフレ派の論客として知られ、今年3月に審議委員に就任した。公の場で講演するのは今回が初めてとなる。