埼玉県内の利根川で同県深谷市の藤田慶秀さん(74)、ヨキさん(81)夫婦が死亡しているのが見つかった事件で、無理心中を図ったとみられる同居の三女、波方敦子容疑者(47)=殺人と自殺ほう助の疑いで逮捕=が事件の数日前、深谷市に生活保護の申請をしていたことが25日までに、関係者への取材で分かった。
波方容疑者は県警深谷署の調べに「生活が苦しく、認知症の母の介護にも疲れた。父が『死にたい』と言うので、3人で車に乗り川に入った」と供述しており、同署は事件に至った経緯を調べている。
関係者によると、波方容疑者は今月17日、市役所で生活保護を申請し、19日には市職員が生活状況などの確認のため自宅を訪れた。同容疑者は今月2日にはヨキさんの介護サービスを受ける申請もしたという。
逮捕容疑は21日ごろ、ヨキさんを利根川に引き入れて殺害し、藤田さんの自殺をほう助した疑い。22日午前、深谷市や同県熊谷市の利根川で遺体が相次いで見つかった。ヨキさんの発見現場近くで、波方容疑者が低体温状態で発見された。
深谷署によると、ヨキさんは約10年前から認知症の症状があり、波方容疑者が介護していた。藤田さんは10月まで新聞配達で家計を支えていたが、体調不良で仕事を辞めたという。〔共同〕