日本とトルコ両国民の友情を描いた合作映画「海難1890」が公開されるのを記念して、トルコ航空の特別機が30日、成田空港に到着した。1985年のイラン・イラク戦争時、テヘラン空港に取り残された邦人を救出した機体のデザインを再現、塗装した。トルコ航空によると、特別機は今後、イスタンブール―関西線で使用されることが検討されている。
1890年に和歌山県串本町沖で、オスマン帝国の軍艦「エルトゥールル号」の沈没事故があった際、助かったトルコ人を地元住民が献身的に介抱したことにちなみ、特別機は「KUSHIMOTO」と名付けられた。
海難1890はエルトゥールル号の事故と、イラン・イラク戦争時の邦人救出のエピソードを映画化。12月5日から公開される。
特別機が到着後、当時の制服を着た元客室乗務員らを先頭に、タラップから乗客が降りた。
式典では、テヘラン空港から救出された経験のある沼田準一さん(73)が「トルコは命の恩人。感謝しても感謝し尽くせない」とあいさつ。田嶋勝正串本町長は「KUSHIMOTOと命名してもらえたことは、町民の名誉で感謝の極み」と述べた。〔共同〕