【ワシントン=河浪武史】米共和党トップのライアン下院議長は15日の講演で、環太平洋経済連携協定(TPP)の承認に向けて、2016年中に議会審議するかどうかについて「十分に可能性はある」と指摘した。「TPPは極めて重要だ」とし、批准に向けて協定の内容の検証作業を急ぐ考えを示した。
共和党内では、マコネル上院院内総務がTPPの法案審議を17年に先延ばしする意向を表明しており、議会指導部で意見集約ができていない。ただ、ライアン氏はワシントンの講演で「審議入りの時期は決めていないが、TPPが野心的で正しい協定だと判断できれば速やかに審議入りする」と語った。
TPPの発効には米国の批准が欠かせず、オバマ米大統領は来年2月に協定に署名した後、速やかに審議入りするよう議会に求めている。