日本百貨店協会が18日発表した11月の全国百貨店売上高は5418億円(全店ベース)だった。既存店ベースでは前年同月比2.7%減と8カ月ぶりに前年実績を下回った。11月は全体を通して暖かい日が続いた影響で衣料品を中心に防寒商品が伸び悩んだ。天候不順や前年に比べ土曜日が1日少なかったことも響いた。
主要5品目では雑貨が7.2%増と8カ月連続でプラスを確保した半面、ほか4品目が前年同期を下回った。コートなどの動きが鈍く衣料品が8.5%減と振るわなかったのに加え、ブーツなどを含む身の回り品が0.8%減と8カ月ぶりにマイナスに転じた。
訪日客向けの免税売上高は前年同月と比較して66.5%増の156億円だった。免税手続きカウンターの来店国・地域別順位は1位が中国、2位が香港、3位が台湾、4位が韓国だった。消耗品のシェアも22.7%と順調に伸びており、14年10月の免税制度の改正以降で過去最高となった。
11月の東京地区の百貨店売上高は全店ベースで1461億円だった。既存店ベースでは0.2%増と8カ月連続で前年実績を上回った。主要5品目では6.9%増の雑貨など3品目が増加した。一方で前月まで好調だった紳士服が5.5%減と苦戦し、衣料品は5.0%減と低調だった。
12月の全国売上高は15日時点で2%程度のマイナス。宝飾品などが引き続き好調なことから消費マインドは冷え込んでいないと見ており、今後は気温の冷え込みによる防寒衣料の上向きや予約が順調なおせちやケーキなど季節商品の計上に期待しているという。〔日経QUICKニュース(NQN)〕