厚生労働省は19日までに、各地の労働局や労働基準監督署が保有するアスベスト(石綿)関連文書計約6万4千件を誤廃棄していたと発表した。保存期間に関する内規にあいまいな点があったことなどが原因。石綿健康被害の労災認定は、別の調査資料などで対応できるため支障はないという。
廃棄された文書は、石綿を使っていた事業所への指導内容を記録した文書や、除去業者が作成した工事計画書など。全都道府県の労働局でミスがあった。
大半は主要部分が電子データで残されていたり、現行基準では保存が不要だったりしたが、約2900件は石綿被害の検証のため残すべき文書だった。
厚労省は2005年12月、社会問題化していた石綿被害の検証のため、関連文書は通常の期間を超えて保存するよう各労働局などに通知。しかし、対象が不明確で、誤廃棄が広がったという。〔共同〕