富士フイルムは21日、ペット保険国内最大手のアニコムホールディングス(HD)と組み、ペット向け再生医療に関する技術やサービスの開発・提供に乗り出すと発表した。共同出資会社を来春設立し、培養した免疫細胞を使ったがん治療法などを研究する。富士フイルムの医療技術とアニコムHDの持つ動物の診療情報などを組み合わせ、動物向け先端医療を確立する。
新会社には富士フイルムが51%、アニコムHDが49%を出資する。社名や資本金などは今後詰める。富士フイルムはグループで再生医療製品を販売するジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J―TEC)の技術を生かし、再生医療に必要な細胞を培養、管理できるようにする。
アニコムHDは国内の動物病院の6割にあたる約6000の病院と契約しており、そのネットワークや診療情報が技術開発に生かせるとみている。あわせて、新たな診療法が生み出された際のペット用保険商品を開発し、提供する計画だ。
数年内に10カ所の基幹病院と連携し、開発した治療法を実際に提供する場も用意する計画だ。