厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会は21日、育児・介護休業法改正に向けた建議を取りまとめた。介護休業を3回まで分けて取れるようにしたり、非正規労働者が育児休業を取りやすくしたりする。安倍晋三政権が目指す「介護離職ゼロ」や「出生率1.8」の実現を制度改正で後押しする。
来年の通常国会に育児・介護休業法改正案を提出し、2017年度からの施行を目指す。
現行の介護休業制度では病気やけがなどの症状1つにつき1回しか休みを取れないため、休業を取り控えるケースが多い。今回の制度改正では通算日数は93日と変えないが分割して休めるようにして介護施設探しやケアマネジャーとの打ち合わせなどをしやすくする。
非正規労働者が育休を取るための要件も緩和する。現在は「子どもが1歳を超えても就労見込みがある」かつ「子どもが2歳までに雇用契約が終わらない可能性がある」などと要件がわかりにくい。今後は「同じ企業で1年以上働いている」「子どもが1歳半になっても働く予定」の2つを満たせば休業できる。
このほか、労働者が企業に申し出れば介護期間中の残業を免除できるようにもする。育児期間中は子どもが3歳になるまで残業せずに済む仕組みがあるが、介護の場合は介護が終わるまでこの措置を受けられる。