【NQNニューヨーク=神能淳志】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落した。終値は前日比117ドル11セント(0.7%)安の1万7603ドル87セントだった。原油価格の下げや欧州の株安が嫌気されて米株式には売りが優勢だった。年末とあって商いが閑散とするなか、次第に売りの勢いが増し、相場は取引終了にかけて下げ幅を広げた。
30日のニューヨーク原油先物相場は米原油在庫が市場予想に反して前週から増えたため、1バレル36ドル台半ばに反落した。エクソンモービルやシェブロンといった業績への警戒が高まりやすいエネルギー関連株に売りがかさみ、相場を押し下げた。
ドイツの株価指数が1%超下落するなど欧州主要国の株式相場は軒並み軟調だった。米市場でも投資家心理が悪化し、幅広い銘柄の売りにつながった。
米株式相場は取引終了にかけて下げ幅を広げた。年末とあって休暇を取得する市場参加者も多く、今週は売買高が低迷している。新たな取引材料に欠くなか、手じまい売りとみられる売りが増えて相場を下押しした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比42.092ポイント(0.8%)安の5065.846で終えた。
業種別S&P500種株価指数は全10業種が下げた。「エネルギー」や「素材」が大きく下落した。「金融」や「電気通信サービス」「IT(情報技術)」の下げも目立った。
個別ではタイヤ販売大手のペップ・ボーイズが安い。日本のブリヂストンが同社の買収を断念。思惑的な買いが膨らんでいた反動から、買収を競っていた米著名投資家カール・アイカーン氏の提示した価格にさや寄せする形で売りが優勢となった。
優先証券の償還に絡み、2015年10~12月期の利息収入が約6億ドル(720億円程度)減ると29日発表した米銀大手のバンク・オブ・アメリカも下落した。スポーツ用品のナイキやアップル、半導体のインテルなどが大きく下げた。
一方で、太陽光発電のサンエジソンが高い。子会社の債務圧縮で合意したと発表したことが買い材料視された。小売り大手のウォルマート・ストアーズが上昇した。