官公庁や多くの企業が4日、仕事始めを迎えた。参院選、リオデジャネイロ五輪といった大きなイベントなどが予定され、実感の伴う景気回復や被災地の復興にも期待がかかる2016年。「少しでも良い年に」。新年の門出に、それぞれが願いを込めた。
神田明神で商売繁盛などを祈願する参拝者(4日午前、東京都千代田区)=写真 湯沢華織
商売繁盛や縁結びの神様を祭る東京都千代田区の神田明神では早朝からスーツ姿のサラリーマンらが列を作り、1年の活況を祈った。
埼玉県川口市の会社員、泉孝吉さん(39)は「昨年は給料もボーナスも横ばいで、景気回復の実感はなかった。今年は少しでも上がってほしい」と言う。独身で婚活にも力を入れたいといい「仕事も私生活も人とのつながりを大切にしたい」と話した。
同僚と参拝した東京都千代田区の人材派遣会社勤務、網代良さん(27)は「今年は海外事業に挑戦してみたい。(英語能力テストで)高得点を取れるよう勉強を頑張りたい」と抱負。同区の建築関連企業に勤める平田華子さん(28)は「まだ給料には反映されていないが会社の業績が上がり、新入社員も増える予定。業績を伸ばせるよう努力したい」と語った。
一方、東京電力福島第1原子力発電所事故で全村避難し、来春までの帰還を目指す福島県飯舘村は福島市内の仮役場近くの公共施設に職員約100人が集合。菅野典雄村長は「村は元に戻らないと諦めの声もあるが、知恵を出し合い、小さな村だからこそできることをしよう」と呼びかけた。
宮城県女川町に年末オープンした駅前商店街では8店舗が仕事始め。お客と店の人が笑顔で年始のあいさつを交わした。青果店の店長、相原義勝さん(68)は「商店街ができて活気が出てきた。安くておいしい果物を売って、復興の役に立ちたい」と意気込んだ。