ここ数日、「家政婦」の仕事を探す女性・劉さん(32)が、微信(WeChat)のソーシャル機能「モーメンツ」で話題をさらっている。求職情報のプロフィールによると、劉さんの学歴は修士課程修了、海外での仕事の経験があり、英語とフランス語を話すこともできるからだ。人民網が各社の報道をまとめて報じた。
劉さんによると、西安外国語大学に7年間在学し、学士と修士の課程を修了。専攻はフランス語で、卒業後に中国のある有名通信企業に入社し、フランス語が公用語であるアフリカのギニアに赴任してリテンションマーケティングに携わったこともある。
劉さんが登録している「家政婦」専門の求職プラットホームによると、劉さんの応募情報は確かだが、高学歴の求職者はまだ少ないという。ただ、絶対数はまだ少ないものの、近年、高学歴の家政婦の割合は少しずつ増えてきているという。2019年、広州市のあるプラットホームが家政婦7万9820人を対象に実施した調査によると、ここ2年、四大卒や大学院卒の家政婦の割合が高くなっている。しかも、家政科を新設する大学も増えている。こうしたことから、高学歴の家政婦は今後ますます増えると見られている。
このような動向は2つの変化を反映している。1つ目は人々の職業観念の変化、2つ目は家政婦業界自体に起きている変化だ。以前なら、家政婦というと、40-50歳の学歴の低い女性が多かった。若者は工場で働きたがり、家政婦は「体裁も悪いし、自由が利かない」と避けられてきた。しかし、人々の家政サービスの社会化やプロフェッショナル度に対する要求が高くなっていくにつれて、業界のイメージも変わりつつある。サービスの内容も産後ヘルパー、収納専門家、園芸師、家電メンテナンスなど細分化され、受け入れられるようになった。こうしたサービスは技術的な要素が高く、高収入であるため、家政サービスに従事する若者も増えてきている。劉さんが話すように、「今は家政サービスに対する概念は以前とは違う。この仕事をすることが別に悪いことだとは思わない。自分がやりたいことか、気に入っているかが重要」だ。
近年、家政サービスの利用も急増している。中国国家発展改革委員会の統計によると、2018年、中国の家政サービス業の経営規模は前年比27.9%増の5762億元(1元は約15円)に達した。将来的には、1兆元規模の市場へと発展し、内需拡大、消費促進の重要な力になると見込まれている。それに伴い、業界のサービス水準向上も促進され、さらに多くの高学歴の人材が同業界で働くようになることが予想される。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年5月29日