日銀が8日に発表した2015年12月の「生活意識に関するアンケート調査」によると、景気が1年前と比べて「良くなった」との回答の割合から「悪くなった」とした回答の割合を引いた個人の景況感DIはマイナス17.3と、前回調査(マイナス15.2)から2.1ポイント悪化した。悪化は1年ぶり。日銀は「調査期間中に2015年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値が実質で前期比マイナス0.2%と発表されたことが影響した可能性がある」(情報サービス局)と分析している。景気判断の根拠について「自分や家族の収入の状況から」が57.3%で最も多かった。
1年後の景況感DIはマイナス19.9と、前回の9月調査(マイナス17.8)から悪化した。収入が「増えた」との回答から「減った」を引いた収入DIはマイナス25.7で、現在の調査方法となって以来の最高水準だった前回(マイナス26.0)を上回った。1年後の収入は「増える」との回答が増加し、DIはマイナス24.6と前回のマイナス26.5から改善した。
1年後の物価が現在より「かなり上がる」または「少し上がる」と答えた割合は77.6%で、前回の81.9%から低下し13年3月調査以来の高水準となった。物価がどの程度変化するかについては回答の平均値が4.3%で前回調査の4.7%から低下した。中央値は3.0%で前回と同じだった。5年後の物価は「かなり上がる」「少し上がる」が80.1%と前回(83.7%)に比べ低下し、12年12月調査以来の低水準となった。毎年の変化度合いについては、平均値は3.6%と前回(3.9%)から低下し、中央値は2.0%で前回調査と同じだった。
現在の物価が「上がった」と感じる割合は減少した。物価が1年前より「かなり上がった」「少し上がった」と答えた割合は78.8%で、前回の84.1%を下回った。
今回初めて調査した家計の現金保有の状況では、1年前と比べて保有する現金残高が増えたと答えた割合は8.5%だった。増えた理由としては「給与・賞与などの収入が増えたから」が最も多く39.2%だった。
調査は日銀が年4回実施している。全国で満20歳以上の4000人を対象に調査し、今回調査の有効回答者数は2122人(有効回答率は53.1%)だった。調査期間は11月6日~12月3日。〔日経QUICKニュース(NQN)〕