東北6県の人口減少が鮮明になってきた。総務省が2015年10月に実施した国勢調査の速報値が12日、各県で出そろい6県すべてで人口が減少。総人口は898万2080人と10年の前回調査から35万3556人(3.8%)減った。東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島だけでなく、青森・秋田・山形でも深刻な人口流出の現状が浮かび上がった。
国勢調査は15年10月1日時点の人口を数えたもの。11年3月に東日本大震災の被害を受けた岩手・宮城・福島の3県では震災後初の国勢調査となった。
被災3県では多くの人が亡くなったり震災後に県外に避難したりした沿岸部の自治体で人口減少が目立った。岩手県の総人口は127万9814人と10年から5万333人(3.8%)減少した。1700人以上が亡くなった岩手県陸前高田市では10年と比べ3543人(15.2%)減った。
大震災による東京電力福島第1原子力発電所の事故で避難者が増えた福島県は前回調査に比べ総人口が11万5458人(5.7%)減の191万3606人と戦後最少となった。なかでも原発事故で全域が避難区域となっている浪江、双葉、大熊、富岡の4町では人口がゼロだったことが響いた。
宮城県の総人口は1万3950人(0.6%)減の233万4215人。震災で574人が亡くなった女川町では3717人、620人が亡くなった南三陸町でも5054人減った。
一方で人口が集中する仙台市は前回から3万6199人(3.5%)増加。12年にトヨタ自動車グループ3社の統合会社「トヨタ自動車東日本」が発足した同県大衡村でも371人増えた。同県の減少率は6県のなかで最も小さかった。